強力な武器を手に入れろ!SWOT分析で描く、あなたの特許戦略ロードマップ

「ありたい姿」を思い描くように言われたんだけど、
どう考えればいいか、さっぱりわからなくて。。。

確かに、まっさらな所から描くのは難しいよね。
でも、そのためのいい方法があるんだ。

えっ!それは何なの?
教えて!!

それは、「SWOT」分析と「クロスSWOT」分析を行うことだよ。
今回は、これについて詳しく解説していくよ。

知的財産(知財)は、企業の最も重要な資産の一つです。

特許、商標、著作権といった知財を効果的に活用することで、企業は競争優位性を確立し、持続的な成長を実現することができます。

しかし、知財戦略を立案することは、決して簡単なことではありません。

多種多様な知財をどのように活用し、自社の事業目標に結びつけるべきか、多くの企業が頭を悩ませています。

本記事では、知的財産戦略立案の重要なステップである「将来を描く」ことについて、SWOT分析とクロスSWOT分析という2つの強力なツールを用いて深掘りしていきます。

これらの分析手法を活用することで、あなたの事業の将来の方向性を明確にし、効果的な知財戦略を立案するための羅針盤を得ることができます。

✓ 「SWOT」分析、及び「クロスSWOT」分析を行い、事業の将来の方向性(ありたい姿)を描く方法

目次

SWOT分析と、その方法

SWOT分析は、内部環境(Strength:強み、Weakness:弱み)と外部環境(Opportunity:機会、Threat:脅威)を分析し、自社や事業の現状を客観的に把握するためのフレームワークです。

SWOT分析のSWOTは、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の、それぞれの頭文字をとったものです。

SWOT分析とその具体的な方法について、見ていきましょう。

SWOT分析の目的

SWOT分析を行う目的は、主に以下のことが挙げられます。

  • 自社の強み、弱み、機会、脅威を明確にすること
  • 強みを活かし、機会を捉えるための戦略を立案すること
  • 弱みを克服し、脅威を回避するための対策を講じること

SWOT分析の手順

SWOT分析は、以下の手順で行うと良いでしょう。

  1. 分析対象の明確化:
    • 何を分析するのか、範囲を具体的に定めます。今回は、事業戦略に基づく知財戦略を立案するため、特定の事業であることを明確化しましょう。
  2. 情報収集:
    • 内部情報(財務データ、従業員のスキル、顧客データなど)と外部情報(市場動向、競合他社の状況、技術トレンドなど)を幅広く収集します。
    • 情報収集の方法は、アンケート、インタビュー、文献調査など多岐にわたります。
  3. SWOTマトリックスの作成:
    • 表形式で、それぞれの要素(強み、弱み、機会、脅威)を書き出します。
    • 各要素はできるだけ具体的に記述し、数値化できるものは数値で示すとより客観的な評価になります。

各要素の具体例

強み、弱み、機械、脅威の具体的な例は、主に以下のものが挙げられます。

  • 強み:
    • 優れた技術力、高いブランドイメージ、豊富な資金力、優秀な人材、原料調達力、効率的な生産システムなど
  • 弱み:
    • 技術力の不足、ブランド力の低下、資金不足、人材不足、非効率な業務プロセスなど
  • 機会:
    • 新規市場の開拓、新規製品の開発、競合他社の撤退、規制緩和、技術革新など
  • 脅威:
    • 新規参入者の増加、競合他社の製品開発、経済の低迷、自然災害、法規制の強化など

SWOT分析のポイント

SWOT分析を行う上での、重要な点は、主に以下の点が挙げられます。

  • 客観的な視点: 自社の良い点だけでなく、悪い点も率直に評価することが重要です。
  • 多角的な視点: さまざまな角度から分析することで、新たな視点を得ることができます。
  • 具体的な行動計画: SWOT分析の結果を踏まえて、具体的な行動計画を立てることが重要です。
  • 定期的な見直し: 環境は常に変化するため、定期的にSWOT分析を見直すことが必要です。

SWOT分析の注意点

一方、SWOT分析を行う上で、注意すべき点は、主に以下の点が挙げられます。

  • 主観的な評価: 個人によって評価が異なるため、複数の人の意見を聞くことが重要です。
  • 情報過多: 情報が多すぎて分析が難しくなる場合があるため、重要な情報に絞って分析する必要があります。
  • 未来予測の難しさ: 未来は不確実であるため、予測が必ずしも当たるわけではありません。

SWOT分析は、マトリックス化し視覚化することで、多くの情報を整理することができます。

この手法を効果的に活用することで、より良い意思決定を行うことができるでしょう。

クロスSWOT分析と、その方法

クロスSWOT分析は、SWOT分析で洗い出した「強み」「弱み」「機会」「脅威」を組み合わせることで、より具体的な戦略を立案するための手法です。

それぞれの組み合わせから、どのような戦略が考えられるのか、具体的な方法と合わせて解説します。

クロスSWOT分析の目的

クロスSWOT分析の目的は、主に以下のものが挙げられます。

  • SWOT分析の結果を具体化し、より詳細な戦略を立案すること
  • 各戦略の優先順位付けを行うこと
  • リスクを最小化し、成功確率を高めること

クロスSWOT分析の手順

クロスSWOT分析を行うには、主に以下の手順で行います。

クロスSWOTマトリックスの作成: 以下の4つの組み合わせをマトリックスに書き出します。

  • 強み×機会: 強みを活かして機会を最大限に活かす戦略
  • 弱み×機会: 弱みを克服して機会を活かす戦略
  • 強み×脅威: 強みを活かして脅威を回避する戦略
  • 弱み×脅威: 弱みを最小限に抑え、脅威から身を守る戦略

各組み合わせの分析: 各組み合わせについて、具体的な戦略を検討します。

各組み合わせの戦略例

各組合せの具体的な戦略例を以下に挙げますので、実際の作成のご参考にしてみてください。

  • 強み×機会:
    • 自社の強みを活かして、新しい市場に参入する
    • 新製品の開発に注力する
    • 既存製品の改良を進める
  • 弱み×機会:
    • 弱みを克服するための投資を行う
    • 外部パートナーとの連携を強化する
    • 新しいスキルを習得する
  • 強み×脅威:
    • 競合との差別化を図る
    • 顧客との関係強化に努める
    • 危機管理体制を強化する
  • 弱み×脅威:
    • 弱みを克服するために、事業を縮小する
    • 新規事業への参入を検討する

クロスSWOT分析のポイント

クロスSWOT分析を行う上での、重要な点は、主に以下の点が挙げられます。

  • 具体的な戦略を立てる: 抽象的な表現ではなく、具体的な行動に落とし込むことが重要です。
  • 複数の視点から検討: それぞれの組み合わせに対して、複数の戦略を検討することで、より良い選択肢を見つけることができます。
  • 優先順位付け: すべての戦略を実行することは不可能なため、優先順位付けを行い、重要な戦略から実行していくことが重要です。
  • 定期的な見直し: 環境は常に変化するため、定期的にクロスSWOT分析を見直すことが必要です。

クロスSWOT分析のメリット

クロスSWOT分析を行うメリットは、主に以下の点が挙げられます。

  • 戦略の多角的な検討: さまざまな視点から戦略を検討できるため、より良い戦略を選択することができます。
  • 意思決定のサポート: 具体的な行動計画を立てることで、意思決定をスムーズに行うことができます。
  • 組織全体の共通認識形成: クロスSWOT分析の結果を共有することで、組織全体の共通認識を形成することができます。

クロスSWOT分析の注意点

一方、クロスSWOT分析を行う上で、注意すべき点は、主に以下の点が挙げられます。

  • 情報収集の正確性: 正確な情報に基づいて分析を行うことが重要です。
  • 主観的な評価: 個人によって評価が異なるため、複数の人の意見を聞くことが重要です。
  • 未来予測の難しさ: 未来は不確実であるため、予測が必ずしも当たるわけではありません。

事業方向性の選択肢の列挙

クロスSWOT分析により、多くの戦略が洗い出されるでしょう。

しかし、すべての戦略を実行することは現実的ではありません。

そこで、各戦略の優先順位付けを行うことが重要です。

優先順位付けの際には、以下の点を考慮しましょう。

  • 経営目標との整合性: 立案した戦略が、会社の長期的なビジョンや目標に合致しているか
  • 実現可能性: 現在の資源や能力で実現可能か
  • リスク: 実行に伴うリスクはどの程度か
  • 収益性: どのような収益が見込めるか

まとめ

SWOT分析とクロスSWOT分析は、知的財産戦略立案において非常に有効なツールです。これらの分析手法を活用することで、自社の強みを最大限に活かし、弱みを克服し、市場の機会を捉え、競合からの脅威を回避することができます。

SWOT分析とクロスSWOT分析を行うメリット

  • 自社の現状を客観的に把握できる
  • 経営目標達成のための具体的な戦略を立案できる
  • リスクを最小化し、成功確率を高める
  • 組織全体の共通認識を醸成できる

SWOT分析とクロスSWOT分析を行う際の注意点

  • 分析結果に固執しすぎない
  • 定期的に見直し、改善を行う
  • 全員参加型の分析を行う

SWOT分析とクロスSWOT分析は、あくまで一つのツールです。

これらの分析結果を基に、自社の状況や業界の動向に合わせて、柔軟な戦略を立案していくことが重要です。

本記事が、あなたの知的財産戦略立案の一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人

企業の知的財産部門で働く、理系出身の弁理士です。

知財分野に関わり始めた方が、これからさらに成長していくお手伝いができればと思い、このサイトを作りました。

[経歴]
・2007年 関西の大学院を修了
・2007年 食品会社で研究開発を行う
・2013年 食品会社の知的財産部門で働く
・2019年 弁理士試験合格
・2020年 弁理士登録
・2021年 ブログを執筆開始

知的財産の世界を、できる限りわかりやすくお伝えしたいと思っております。
皆さんに少しでも興味を持っていただけると幸いです。

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