「知財戦略」を作るように上司に言われたんだけど、
何から手を付けたらいいか全然わからなくて。
「知財戦略」といわれても、抽象的で、
わかるようでわからないことが多いよね。
そうなんだ。
初めてのことだし、どうしたらいいの?
よし!それじゃあ今回は、
知財戦略を作る上で、まず最初に行うことを教えていくよ。
知的財産戦略の立案を行うように言われて、途方に暮れた経験がある方もいるかもしれません。
知的財産戦略を立案する上で、まず第一に行うことは、「自社の事業状況を正確に把握すること」です。
自社の事業を把握することなく知的財産戦略を立案するのは、羅針盤なしに航海に出るようなものです。
目的地を定め、最短ルートを辿るためには、現在の位置と周囲の状況を正確に把握する必要があります。
この記事では、特許戦略立案の第一歩として、自社事業の現状と目論見を深く理解するための具体的な方法と、その重要性について解説します。
知財戦略立案の第一歩として、自社の事業を知るために確認すべき、具体的なこと
自社商品・サービスの提供価値の把握
自社が提供する商品やサービスの提供価値を明確にすることは、知的財産戦略立案の出発点です。
次の点を明確にすることで、自社商品・サービスの提供価値を、より正確に理解できます。
- 誰に: どのような顧客層に提供しているのか、ターゲット顧客を明確にしましょう。
- 何を: どのような商品やサービスを提供しているのか、その特徴や機能を具体的に記述しましょう。
- どのように: どのように顧客に提供しているのか、販売チャネルやサービス提供方法を具体的に記述しましょう。
- どのような価値を: 顧客にどのような価値を提供しているのか、顧客の課題を解決する点や、競合との差別化ポイントを明確にしましょう。
自社事業の売上、利益、及び将来の見込み
自社の財務状況を把握することは、事業の現状を客観的に評価するために不可欠です。
次の点を明確にすることで、自社事業の数値上の位置付け、及び将来の展望を把握することができます。
- 売上: 商品やサービス別の売上高、顧客別売上高などを分析し、売上の推移や構成比を把握しましょう。
- 利益: 利益率の推移、原価構成比などを分析し、収益性の高い商品やサービスを特定しましょう。
- 将来の見込み: 中長期的な売上目標や利益目標をどのように考えているのか、現時点での見込みを把握しましょう。
自社の事業上の競合、及び競合品
競合企業の動向を把握することは、自社の事業戦略を立てる上で非常に重要です。
なぜなら、競合の動向は、自社事業に、良くも悪くも影響を受けるからです。
次の点を明確にすることで、自社事業と競合事業との違い、及びどのように影響を受けるかをまずは把握しましょう。
- 競合企業: 直接的な競合だけでなく、間接的な競合も洗い出し、ピックアップしましょう。
- 競合品: 競合製品・サービスの特徴、価格、マーケティング戦略などを分析し、自社製品との差別化ポイントを明確にしましょう。
自社の事業上の強み
自社事業の強みを明確にすることで、対象となる市場において、どのように生き残っていくのがよいのかが明確になります。
例えば、次に挙げるようなことに着目し、競合他社と比較して、自社事業の強みを明確にしましょう。
- 技術力: 特許取得件数、ノウハウ、研究開発体制など、自社の技術的な強みがあるか、確認しましょう。
- ブランド力: ブランドイメージ、顧客ロイヤルティ、市場での認知度など、自社のブランド力を評価しましょう。
- 人材: 従業員のスキル、経験、専門知識など、人的資源の強みを評価しましょう。
- 商品の価格:競合よりも商品の価格が安い場合、一般に、お客様に選ばれやすくなります。
- 外部との関係性:他社との関係性により、自社が優遇される場合等があり、これが自社の強みとなることもあります。
自社の事業上の問題
自社の問題を明確にすることで、知的財産戦略で解決し得る問題を特定することができます。
例えば、次に挙げるようなことをに着目し、自社の事業上の問題を明確にしましょう。
- 技術的な問題: 競合との技術格差、特許侵害のリスクなど、技術的な問題を洗い出しましょう。
- 市場の問題: 市場規模の縮小、新規参入者の増加など、市場環境の変化による問題を洗い出しましょう。
- 商品価格の問題:他社と比較して高価格のため選ばれない、低価格のため利益が出ない等、価格面の問題を洗い出しましょう。
- 商品品質の問題:他社と比較して、品質面で劣る部分がないか、洗い出しましょう。
- 経営的な問題: 財務状況の悪化、資金調達の困難など、経営上の問題を洗い出しましょう。
まとめ
今回は、自社事業の現状と目論見を深く理解するための方法を説明しました。
自社商品・サービスの提供価値の把握から事業上の問題点まで、知的財産戦略立案に必要な情報を整理し、自社の強みと弱みを明確にすることで、今後の知的財産戦略を立てるための基礎となる重要なステップです。
具体的には、次のことです。
- 提供価値: ターゲット顧客、販売チャネル、顧客への提供価値を明確にする
- 財務: 売上、利益、将来の見込みを数値で把握し、事業の現状を客観的に評価する
- 競合: 競合企業・製品との比較分析を行い、自社の強みと差別化ポイントを明確にする
- 自社の強み: 技術力、ブランド力、人材、価格、外部との関係性など、自社の強みを洗い出す
- 問題点: 技術、市場、価格、品質、経営面での問題点を洗い出し、知的財産戦略で解決できる課題を特定する
これらの情報を基に、知的財産戦略を立案することで、自社の競争力を強化し、持続的な成長を実現できます。
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