特許に関する調査って、色々あるよね。
特許出願前調査って、いったい何?
特許出願前調査というのは、特許を出す前に、
それが特許科される可能性を調査するものだよ。
そんな面倒なことせずに、
気にせず特許を出したらダメなのかな?
そうだね、今回は、特許出願前調査の
意味や方法について、詳しく見ていこう。
調査の種類が幾つもあるなんて、あまり気にしたことはないかもしれません。
なんでそんなに調査に種類があるのかも、その意味も不明と思われているかもしれません。
今回は、特許を出願する前に行う調査について、お伝えしていきます。
- 特許出願前調査って、いったい何?
- なぜ特許を出す前に調査を行うの?
- 具体的にどのように調査を行っていくの?
出願前調査(特許性調査)とは
出願前調査とは、研究開発活動の成果である発明について、これを特許出願した場合に特許化できる可能性が有るか否かを判断するために行うものです。
特許を出願するには、労力や費用を要します。
仮に特許出願をした場合に、特許化できなかった場合、その労力や費用が無駄になってしまいます。
特許化を行うには、
・従来の技術とは異なり新しいこと(新規性)
・従来の技術から簡単には思いつかないこと(進歩性)
という条件があります。
そのため、事前に従来技術の調査を行い、出願予定の発明をブラッシュアップすることで、特許化の可能性を高めることができるのです。
調査の手順
対象技術の特定
調査を行う前に、特許出願を考えている発明の内容を、十分に理解しておく必要があります。
その発明が、
- 何の分野に関するものか
- どのような課題に対して取り組んだものか
- どのような解決方法を提供するものか
- どのような流れでおもいついたのか
といったことを、少なくとも理解しておくとよいでしょう。
発明を、「発明提案書」という形でまとめられていると、発明内容の理解がしやすくなるでしょう。
検索方法、検索手段
検索範囲は、特許に限ったものではなく、広く、インターネット情報、論文、図書、雑誌、等も含まれます。
知財パーソン一人ですべてを調査するのは困難でしょう。
論文や図書、雑誌については、発明者の方が詳しく知っている可能性が有ります。
そのため、発明者に協力いただいてもよいでしょう。
ここでは、特許文献に関する調査方法についてお伝えしていきます。
具体的な検索方法、及び検索手段は、基本的には、特許クリアランス調査と同様です。
基本的な部分については、こちらの記事もご参考ください。
調査範囲
特許クリアランス調査と異なる部分は、主に、以下の項目です。
- 確認する公報の種類
- 確認する公報の部分
①について、特許クリアランス調査では、特許権として存在しているもの、及びこれから特許になる可能性が有るもの、を確認すればよいものでした。
しかし、出願前調査では、上記に加えて、
・既に特許権が切れたもの、及び、
・特許にならなかったもの、
も確認する必要があります。
その理由は、権利が切れたものや、権利にならなかったものについても、技術内容が記載されているため、そこに記載されているだけで新規性が無くなっているからです。
また、②について、特許クリアランス調査では、権利範囲である請求項を見ればよいものでした。
しかし、出願前調査では、
・請求項に加えて、明細書の全て
を確認する必要があります。
こういったことを考慮すれば、クリアランス調査とは確認する量が大きく異なることがわかると思います。
技術内容の確認
では、実際にどのように公報を確認していくのでしょうか。
隅から隅まで、全てをきっちり確認していては、いくら時間があっても足りません。
そこで、幾分かの漏れは覚悟しつつも、調査のスクリーニングの効率化を行っていく必要があります。
スクリーニングの効率化のためには、
・「要約」
・「第一請求項」
・「代表図」
を見ることで、粗選別を行うとよいでしょう。
その後、技術分野・技術思想・主要な構成が一致する資料を抽出し、その資料に関して、全文、全図表を確認していくことで、効率化を果たせます。
調査結果のまとめと報告
確認が終了したら、ピックアップした資料と記載されている技術内容をまとめ、報告する必要があります。
対象発明と同様の記載があったのか、なかったのか。
あったのであれば、どのような技術内容であったのか。
対象発明の特許性を出すには、どのような対応方法があるのか。
などを報告することができるとよいでしょう。
まとめ
今回は、出願前調査についてお伝えしてきました。
出願前調査とは、生み出した発明を特許出願した場合に、特許化できる可能性が有るか否かを判断するために行うものでした。
調査を行う前に、特許出願を考えている発明の内容を、十分に理解しておく必要がありました。
また、調査範囲は広く、インターネット情報、論文、図書、雑誌、特許公報など全て含まれるものでした。
さらに、特許公報についても、請求項のみならず、全文、全図が対象となるものでした。
これらの調査を効率的に行うために、「要約」、「第一請求項」、「代表図」により粗選別を行い、スクリーニングを行った後に詳細に確認することが良いことをお伝えしました。
最後に、ピックアップした技術内容の報告、特許化するために必要な対応方法を報告するとよいことをお伝えしました。
今回の内容が、少しでもあなたのお役に立てるようであれば幸いです。
今日という日が、あなたにとって良い一日となりますよう願っています。
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