「発明」っていったい何?|発明の定義と意味を徹底解説

発明をして特許を取ろう!なんて言われるけど、
そもそも、「発明」って、何なの?

「発明」の定義についてだね。発明とは、
「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの」
と定義されているよ。

なんだか、難しくてよくわからないよ。。
もっとわかりやすく教えて。

そうだね。発明の意味を正確に知ることが、特許を取得する上での第一歩。ここでは、発明について詳しく説明していくよ。

特許法では、発明とは、

「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち、高度なもの」(特許法第2条第1項)

と定義されています。

つまり、「自然法則を利用」「技術的思想」「創作」「高度」という4つの条件があると言えます。

これらの内容について詳しく見ていきましょう。

✓ 発明の定義

✓ 発明とされる条件、具体例

✓ 発明ではない具体例

目次

1. 自然法則を利用

自然法則を利用している、ということで、自然科学の分野に関するものは、該当することとなります。

もう少しイメージを深めるために、逆に、これに該当しないものについても例示します。

それは、

  • 自然法則自体
  • 自然法則に反するもの
  • 自然法則を利用していないもの

です。

「自然法則自体」というのは、例えば、万有引力の法則、といったものが挙げられます。
この法則自体は発明とはならず、これを利用して考え出されることが条件の一つになります。

「自然法則に反するもの」というのは、例えば、「永久機関」などです。
現在の科学では、永久機関が存在し得ることは立証されていません。
そのため、実際に起き得ないこと、存在しないことについては、認められないものとなっています。

「自然法則を利用していないもの」というのは、例えば、経済法則等の自然法則以外の法則、コンピュータプログラム言語等の人為的な取決め、数学上の公式、人間の精神活動、等が挙げられます。
こういったものは、自然法則を利用していないと判断され、この要件を満たさないことになります。

2. 技術的思想

技術というものは、誰もが再現性をもって実行可能なものです。
ここでいう「技術的思想」に「該当しないもの」の例は、以下のものです。

  • 技能
  • 情報の単なる提示
  • 単なる美的創造物

「技能」は、個人の熟練によって到達し得るものであって、知識として第三者に伝達できる客観性が欠如しているものです。
例えば、フォークボールの投球方法が挙げられます。

「情報の単なる提示」とは、提示される情報の名様に飲み特徴を有するものであって、情報の提示を主たる目的とするものです。
例えば、機械の操作方法についてのマニュアルや、録音された音楽にのみ特徴を有するCDなどが挙げられます。

「単なる美術的創造物」の具体的な例としては、絵画や、彫刻などが挙げられます。

3. 創作

「創作」とは、創造的に作られたもののことを指します。

発明を構成する要件としての「創作」は、発明時を基準として考えられるものです。

しかも主観的に見て新しいと意識したものという程度の軽い意味で十分とされています。

これに対して、特許要件としての「新規性」や「進歩性」は、特許出願時を基準として考えられるものです。

しかも客観的なものである必要があります。

4. 高度のもの

「高度のもの」が意味するところは、実用新案における「考案」との区別をするために設定された要件です。
発明は、考案に含まれる部分のうち技術水準の低い裾の部分は含まないということを意味しています。

5. まとめ

今回は、「発明」に関する要件について詳しく見てきました。
発明は、自然法則を利用したものである必要があり、自然法則自体、自然法則に反するもの、自然法則を利用していないものについては、発明とみなされませんでした。

また、技術的思想である必要があり、技能、情報の単なる提示、単なる美的創造物については、発明とみなされませんでした。

さらに、主観的にみて新しいと考えられる創作である必要がありました。

そして、一定程度、高度のものである必要がありました。

今回の内容が、少しでもあなたのお役に立てるようであれば幸いです。
今日という日が、あなたにとって良い一日となりますよう願っています。

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この記事を書いた人

企業の知的財産部門で働く、理系出身の弁理士です。

知財分野に関わり始めた方が、これからさらに成長していくお手伝いができればと思い、このサイトを作りました。

[経歴]
・2007年 関西の大学院を修了
・2007年 食品会社で研究開発を行う
・2013年 食品会社の知的財産部門で働く
・2019年 弁理士試験合格
・2020年 弁理士登録
・2021年 ブログを執筆開始

知的財産の世界を、できる限りわかりやすくお伝えしたいと思っております。
皆さんに少しでも興味を持っていただけると幸いです。

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